Passing on
「看取り学」
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看取り学、看取り士、耳に新しい言葉かもしれません。
私も 初めてその言葉を聞いたとき、それがどういう学問、職業なのか全く知識がありませんでした。
でもなぜか、心惹かれるままに検索を始め講座の受講を決め、一年後の現在、看取り士の資格をいただきました。
看取るとは、そうです。旅立つ人の最期を看取る。
両親も義両親も既に亡くなり、今現在身近に旅立ちが迫っている家族がいるわけではありません。
ではなぜ私が看取り士になったのか?
看取り学とは旅立つ方に寄り添い、その方が望む場所で望む形で最期を愛されたと感じて旅立たれる。
そのお手伝いをさせていただくお仕事です。
そして、それと同様に、またそれ以上に大切な事は、残された家族がこれから生きていくために
旅立つ方から愛の命のバトンを受け取る尊い時間でもあります。
臨終告知から何時間もの間、身体は温かいのです。その間あなたは愛する人との会話さえ可能です。
臨終に間に合わなかった。
ずっと伝えたかった思いを伝えることができなかった。
抱きしめて最期の別れをしたかった。
ありがとうと言いたかった。
旅立つ人が息を引き取るその瞬間に立ち会えなかったと、
たくさんの人が後悔や罪悪感を心に抱いたまま、別れと悲しみとだけとらえ
喪失感の中で日々を送ることは、決して愛する人が望んでいることではないでしょう。
あなたはいつか必ず訪れるご自分の最期の時をどこで誰とどのような形で迎えたいですか?
生あるものは 例外なく死を迎えます。
日本は先進国の中でも本人の望む形の最期と実際の状況とのギャップがとても大きい国です。
ご本人が望まれる形で最期を迎えられるように寄り添い、
残された方が死をマイナスではなく、受け取るエネルギーのバトンを生きる力として
日々を送るプラスの死生観を伝えたい。
その思いで 設立者 柴田久美子氏が14年前に、
たった1人でスタートしました看取り士が現在日本で2300人以上誕生しています。
看取り学、プラスの死生観は年齢に関係なく、
今ここを生きている私たちに必要な 人生の知恵と学びだと感じています。
初級、中級講座の講師として、これから1人でも多くの方にお伝えしていければと心から願います。
日本看取り士会ホームページ